看護の日(フローレンス・ナイチンゲールのお誕生日)

毎年5月12日は、

看護師なら誰もが学ぶ看護の真髄を築き上げられたフローレンス・ナイチンゲールの誕生日に

ちなんで、看護の日とされています。

日本看護協会ホームページ

そんな看護の日ですが・・・

周産期グリーフケアは決して看護職だけが担うものではありません。

しかし突然のお別れを告げられ、手術・出産をするのはやはり医療施設です。

医療施設は誰もが必ず関わる場所であり、

医師だけでなく看護職(看護師・助産師)が天使ママ・パパと必ず関わることになります。

だからこそ、看護職にはこれからもグリーフケアについて伝えていきたいと思っています。


看護の日の記事なので、「看護とは?」に少し触れたいと思います。

【ナイチンゲール看護研究所ホームページ】

世の中の多くの方が、

漫画やドラマやナイチンゲールのイメージ(実際に語り継がれている伝説は正しくはない?)

から、看護師は「白衣の天使」などといわれることもあります。

そんなイメージから、、、、

『慈しみのある生涯を看護に捧げる優しい女性』と信じ込まれています。

そんな過剰な期待もあるからこそ、看護師は患者様から

「白衣の天使と大違い」とか、

「看護師なのに。どうしてわかってくれないの?」と思われがちです。

そこには過剰な期待や、理想とのギャップによる誤解も影響しているかもしれません。


<ナイチンゲールが看護職に望んだ資質>

ナイチンゲールの言葉より

『看護の仕事は、快活な、幸福な、希望に満ちた精神の仕事です。
犠牲を払っているなどとは決して考えない、熱心な、明るい、活発な女性こそ、本当の看護師といえるのだ。』

引用:ナイチンゲール看護研究所のホームページ

 

このことからも、ナイチンゲールは・・・

看護師は誰も自己犠牲を惜しまぬ白衣の天使であるべきだと強要した人ではなく

むしろ看護職を1つの専門職として創起させたいと願いつつ、

看護職には奉仕や献身の精神ではなく、大きな責任を自覚できる社会的に自立した精神であり、自己が選んだ職業に対して使命感を感じとることのできる優れて豊かな思考力

を持って欲しいと願っていました。


200年近くも前にこのようなことを考え、看護を専門職として確立された

ナイチンゲールは本当に、、、、すごいなぁとつくづく思います。

この言葉には、深く納得させられ、強く共感します。


私たち、周産期グリーフケアはちどりプロジェクトが専門職者に求めている支援も、

決して自己犠牲の精神で尽くすことではありません。


ただ、これほど辛いことが起こったとき、「何もできることなんてない」と諦めず、

ただ、ただ、辛い気持ちを受け止めて欲しいと願っています。

どうか気負いし過ぎず、日頃のこころのこもったケアをただ、ただ、していただきたいです。

純粋に相手の立場に立ち、想像力を豊に、

深く感じ、考えていただくことで、

温かい寄り添いの気持ちが相手に

必ず伝わると思います。


悲嘆は病気ではないため、

グリーフケアに理解がない医療施設で行われるケアは、1人ひとりのスタッフが自分の時間を割いて行われている場合が多かったのも課題の1つです。

※周囲から理解されない場合、勤務時間外に対応したり。良いケアをしているのに、評価されないだけでなく、否定されたりすることもあるかもしれません。


何とかして差し上げたい、

でも組織の中で勝手な行動をとるわけにもいかない・・・・

と板挟みになり苦しい想いをしている

看護職者(看護師・助産師)も多いと思います。

しかし、昨年、大きな出来事がありました。

2021年5月、厚生労働省より、

流産・死産をされた母親へも産後ケアをしっかりと提供するよう通達が発出されました。

特別な支援ではなく、あるべき支援として、再度周知されたという状況です。


そのため、ここからは、

決して看護職者が自分の時間を割いてボランティアといいますか、、、

自己犠牲の精神で取り組むケアだけではなく、

組織としてきちんと責任を持ってグリーフケアに取組んでいただけることを切に願っています。


そのためにはたくさんの課題があります。


お金が目的という意味ではなく、

専門家が責任を持って行動するためには、

職業として、社会的にきちんと公認された状況で、グリーフケアが行えるのが一番理想的です。

(遺族ケアにも診療報酬が加算されるようになれば解決しますが医療費逼迫の問題もありますので、そう簡単に解決する課題ではないと考えています。)


だからこそ、

まずは、医療施設での理解が得られ、

心ある看護職者の方が肩身の狭い思いをすることなく、

堂々と、あたりまえに産後のケアとしてグリーフケアに向き合っていただけるよう

周産期グリーフケア啓発活動に取組んでいきたいと思っています。


心ある優しい看護職の方々がバーンアウトしてしまいませんように、

そのためにも社会にグリーフケアの必要性を理解していただけるよう

啓発活動に取組んでいく必要があります。


フローレンス・ナイチンゲールの言葉から

ふとそんなことを思う、看護の日でした。


周産期グリーフケアに欠かせない役割を担う看護職の方々が、

ご自身のこころと身体の健康を守りながら、全ての患者様の立場にたち

寄り添っていただけるようお祈りいたします。


看護の日に心を込めて・・・

2022. 5. 12.

周産期グリーフケアはちどりプロジェクト

周産期グリーフケアはちどりプロジェクト “Hummingbird”『今、私たちにできること』

周産期グリーフケア はちどりプロジェクト “Hummingbird”『今、私たちにできること』 ペリネイタル・ロス後の深い悲しみの現実を1人でも多くの人に知ってもらえるよう活動しています、またその後の長い悲嘆過程の道のりを分かち合い、寄り添える社会のためグリーフケアの必要性や在り方を考えるきっかけ作りのための “ひとしずく運動”をひとつひとつ丁寧に心を込めて積み重ねていきます。

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